歩いたり走ったりするとすぐに膝が痛くなる人がいると思います。
とくにランニングでは膝を痛めがち。
当たり前ですが、ストレッチをしないで長距離なんかを走るとかならずと言っていいほど膝を痛めます。
人間は本来立っている生き物ですが、膝への負担は体重の4から5倍の負荷が膝にかかっているそうです。
競歩は体に悪い。
ネットやSNSを見ているとたまに見かけたので、調べてみることにしました。
競歩は体に悪いのか?
A. 競歩のルール上、ケガは避けられない
競歩は大会にもなっている立派な競技です。
誰が一番早いかを競うスポーツなので、体に負担がかかるのは当然だとも言えます。
病院の先生に「競歩は走るよりも負担がかかるかも」と言われた方もいるようです。
下記の3点は、筑波大学陸上競技研究室を参考にしています。
脛部の怪我

競歩には「前脚は接地の瞬間から垂直の位置になるまで、まっすぐに伸びていなければならない」というルールがあります。
それゆえに地面に足が接地した際、地面にかかとが着いた後に最も衝撃力があり、この強い衝撃力は下肢(かし)の振動を引き起こすとされています。
かかとへの高い圧力は,足部の脛側の怪我の要因となります。
脛の筋肉の痛み

競歩競技の現場でよくある、脛(すね)の筋肉の痛みについてです。
これは歩行中に筋が緩む時間が短縮されることや、強収縮が行われることによるとされています。
筋が緩む時間が短くなったり,その際の筋内圧が高かったりした場合には虚血性の痛みが引き起こすとされています。
ハムストリングの怪我

競歩競技におけるハムストリングの怪我は、接地前から振り出し脚の股関節、膝関節を伸展させることにより、接地前にハムストリングが引き伸ばされながら力を発揮することが要因として引き起こされているということが考えられています。
ハムストリングの激しい収縮が怪我につながっていると推測されます。
ウォーキングは体に悪いのか?
A. 健康にはいいが、歩き方には注意する
高齢者でもウォーキングする姿を見かけますが、歩くことは膝に負担がかかりにくい運動とされています。
ですが、運動方法によっては膝を痛めてしまう可能性もあります。
それではどのような方法が良いウォーキングと言えるのでしょうか?
フォームを意識する
しっかりとフォームを意識すると膝に負担がかかりづらく、膝が痛い方でも歩くことができます。
・かかとを意識する
・膝は曲げない
・肩の力を抜く
そして歩くスピードよりも膝に負担をかけないポイントを意識するようにしましょう。
骨盤を意識する

ここからはスポーツ科学センター教授のウォーキングアドバイスです。
骨盤を前傾させることで背筋がピンと伸びます。
そして見た目にもきれいな姿勢となります。
これにより歩行の際、進行方向への重心移動がよりスムーズに行えるようになります。
腕の振り
腕振りも前方への推進力をつけるために、とても重要な要因となります。
腕全体を振り子のように、肩からしっかり動かすように振ってみましょう。
重心移動

前方に振り出した脚は、かかと→足裏全体→親指の付け根付近の順で接地させましょう。
これにより、無理なく地面へと力を伝えることができ、体を前方へスムーズに移動させられます。
また、足裏全体が接地したときに、足から頭までが一直線になるよう意識してみましょう。
これができると、重心移動がスムーズになっている証拠です。
おわりに
競歩は「競い歩く」と書く通り、全身全霊をかけるスポーツです。
体に悪いというより、体に負担がかかるといった方が正解なのかもしれません。
歩くこと自体は体にいいので、一般の方は自分に合った距離やスピードで運動を楽しみましょう。
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